カブトムシと いのち

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Nice!

昨日、KO君が大事に世話をしていたカブトムシのチャンプ(オス)が、動かなくなった。KO君が、小学校にいっている間に、逝ってしまった。学校から帰って、いつものように飼育カゴをのぞき込むKO君とTO君。いつKO君に言おうかと、気が付いてから迷っていたけど、思い切ってKO君に話す。「あのね、KO君のチャンプが動かなくなってるんだけど…。」「え~~!うそっ!」慌てて飼育カゴをのぞき込んで、フタを外し、チャンプの姿を確認。動いていない…。みるみるうちに涙が溢れ出す。「うぁぁぁぁ……ん。」KO君、号泣。「もう…じゅえきをあげられないぃ……!!」「うぁぁぁぁ……ん。」KO君が大事にしていたカブトムシのチャンプは、たけ父さんが幼虫をもらってきて、幼虫の時から家にいて、我が家で冬も越した。梅雨が来て、夏が近づくと、「もうすぐカブトムシが出てくるね~。」と楽しみにしていて、7月の始めに出てきた成虫なのだ。まだ、羽化して出てきてから10日あまりだった。(同じ時期に出てきたオスのカブトムシは、TO君がティラノと名付けお世話をしている。)毎日、学校から帰ってから、TO君と二人で、まず飼育カゴののぞき込み様子を見る。それから宿題をしてカブトムシに餌のじゅえき(市販品)をあげることが二人の楽しみだった。しばらくカゴをあけ、時々カブトムシを触りながらカブトムシの様子を、楽しそうに二人で見ていた。それが、出来なくなった。「もう、お世話をしてあげられない~~~。」KO君の号泣は続く。TO君のカブトムシは、まだ生きているので、TO君なりにKO君を励まそうと、いろいろ言うけれど逆効果。とりあえず、宿題をしようと、2階のリビングにあがる。KO君は、畳にコロンと横になり泣いていた。そして、そのうち泣き寝入り…。TO君と宿題を済ませて、KO君を起こす。まだ、まだ、宿題をする気にならないようだったけど、なんとか宿題をすることで気持ちを切り替えているようだった。KO君も宿題終了。そして、また1階へ。時間割を済ませ、いつもなら、この時に餌をあげるのだけれど…。その日、動きがおかしくなった時に、チャンプとティラノに昆虫ゼリーを入れていたので、TO君のティラノにも餌はあげずに、様子だけ見ていたら、昆虫マットの粉まみれのKO君のチャンプが、かわいそうになってきた。使い古した歯ブラシできれいにしようと言うと「うん、そうする。」とKO君。まずは、私が軽くきれいにして、KO君に手渡した。「最後のお世話をしようね。」「うん。」涙目になりながら、チャンプのカラダをきれいにしていく。カブトムシを飼うのは初めてだったKO君は、初めてカブトムシのカラダをしっかりと持っていた。チャンプのカラダをきれいにして、まだ別れがたいKO君は、しばらくこのまま飼育カゴにおいておきたいという。「気持ちが落ち着くまで、いいよ。」というと、きれいにした餌皿の切り株に、そっとおいた。「あした、ここから落ちていたら、生きてるってことだよね…。」とつぶやくKO君。生き物を飼うことは初めてだったKO君。まだまだ一緒に楽しい時間を過ごすハズだったチャンプが昨日まで、元気に動き回っていたチャンプが動かなくなってしまったことは、なかなか受け入れられない。まだあるはずだった一緒の時間が、ぽっかりとなくなってしまった寂しさは初めて味あう気持ち。楽しくカブトムシのお世話をしている二人を見てると、私も楽しかったので、なんだかせつない。いのちって儚いね…。KO君が、初めて いのち にふれた出来事でした…。↑ランキングに参加しています。ポチッと応援のクリックをしていただけたら、うれしいです^^