インフルエンザで寝たきりになっていた頃、子供たちが学校から帰ってくるのがわかっていても、迎えに出たり、抱っこしたりできません。寝室から子供たちの元気な声を聞きながら、また眠りに落ちていったりしていました。子供たちの可愛い声を壁ごしに聞くのも嬉しいことでしたが、何より私の心をなぐさめてくれたのは、子供たちが弾くピアノの音色でした。ビックリしたことがあるんですよ。我家の双子は3歳からピアノを習っています。・・・なーんて書くと、まるで「英才教育」のようですが、その実、最初の先生からはあまりに二人が練習しないのと、レッスンのたびに順番でもめていたため、クビになってしまった過去あり。その後はなんとかクビにはなっていないものの、家でなかなか練習しないため小学1年生で、やっと「川は呼んでいる」あたりを弾いている始末。そんな二人なのに、私が寝ながら聞いていると、突然、ブルグミュラーの『アラベスク』を弾きはじめたんです。もちろんつっかえつっかえなのですが、突然ブルグミュラーですからビックリしましたよ。なんでも、最近、学校の休み時間に教室の電子ピアノを弾くのがはやっているんですって。同級生の中には天才的に上手なお友達が何人かいるようで、「○○ちゃんは『エリーゼのために』を弾くんだよ」と二人ともかなり刺激を受けている様子。『アラベスク』はF君という男の子が上手に弾くそうです。同じクラスのマーヤはF君が弾く『アラベスク』を見よう見まねで覚え、楽譜もないのに弾きはじめたんです。そのマーヤから影響を受けて、サーヤまで真似しはじめました。いやぁ、友達の影響ってすごいですね。これまで何年も親や先生が言い聞かせても、なかなかエンジンがかからなかった二人なのに、最近は『アラベスク』を皮切りに自分たちのレッスン曲も毎日熱心に練習するようになりました。ピアノの面白さが少しわかってきたのかな。今だけの「気まぐれ」かも知れませんが、しばらくは見守りたいところです。