12月の半ばの日曜日、「ありのままの子育て」「自立への子育て」「お仕事がんばります」の著者 明石 洋子氏の講演会に行って来ました。
講演会は、息子さんの明石 徹之氏もスピーチをされました。
徹之氏が講演会の壇上で、落ち着かれるまで、お母さんの明石 洋子氏が話しをされ、徹之氏は、紙に一生懸命、何かを描いておられました。洋子氏によると、「沢山の人の前に出て、緊張してます。こういう時は、紙に『標識』を描いて自分を落ち着かせているんですよ。」「リラックスしてきたら、『標識』が犬や猫などの動物の絵になったりします。」「そうなったら、スピーチしても大丈夫です。」
徹之氏は、紙に書くということに、『こだわり』があったそうです。
その『こだわり』を逆に利用して、沢山の人が集まる場所でも、壇上に座っていられるように、落ち着ける道具として使っているとおっしゃってました。
しばらくして、徹之氏がスピーチされました。
独特の話し方ではありましたが、自分で書いた原稿を自分でしっかりと読み上げられました。「すごい。」の一言です。ここまで導いてこられた洋子氏の力を感じました。
講演会のテーマは「ありのままに あたりまえに 生きる地域に ~ありのままの子育て・自立への子育て から見えてきたもの~」
当事者が「自分らしく生きる」を保障する支援を…ということで、自分らしく生きる基本=自分が何をしたいか(『自己決定』の保障)の大切さを話されました。
「自己決定が意味あるものになるのは、周りの工夫。小さいうちから選ぶことをさせる。豊富な選択肢を用意して、失敗しても大丈夫という安心感、信頼できる支援が、自己決定を保障することになる。」
ノーマライゼーション(障害があっても地域の中で対等な関係で、人間として尊重され、差別されることなく、社会の一員として生活する)の理念のもと、「自分らしく生きる」ということは『自己決定』して生きていくこと…そして必要な支援を受けることが出来れば、地域での生活が可能になるとおっしゃっていました。
そうなるため、洋子氏は地域作業所、グループホーム、地域支援センターを設立運営されてきたそうです。
実際、徹之氏は、高校進学、公務員になること、すべて自分で選んで努力して、実現してこられています。徹之氏の努力と洋子氏の適切な支援の賜だと思います。
パニックは、強い意志の現れであり、想いを育てるチャンスととらえ、『こだわり』は意味のあるものに変える。徹之氏の思いや意志通りになることへの努力、集中力は高く、他では発揮できない能力が発揮できることを知り、水への『こだわり』を利用して、トイレ掃除やお風呂掃除を教えられたそうです。
そのお掃除好きが、現在の公務員としての仕事に生かされています。
そして、支援について、
支援は、支援者が支援しやすいように支援するのではなくて、本人の困っていること、パニックになってしまうことに対して支援するべきであると(同感です)、思いに寄り添い、知って、理解して、工夫して支援をする。プロの支援者の方には、プロじゃないとダメと特別にプロの自分が支援につくということではなくて、支援の方法を伝えて、普通の人にも出来るようにパイプ役になって欲しいと話されました。
今、徹之氏は、福祉施設で掃除の仕事をされているそうです。
それは楽しそうに、車椅子を綺麗に掃除しておられる映像を見せていただきました。
車椅子の作業手順書は、9つの手順からなっていて、その手順を順番通りきちんとこなしておられました。最初は、洋子氏が手順書を作られたようですが、今は、同じ職場の方が手順書を作り、作業を覚えることの支援をされているそうです。一日の作業手順は、70もの作業手順があるとか…働く環境を整える(作業手順書の作成)ことで、働くことが出来る。
素晴らしいことです。
我が家のとっちゃんも、いずれ社会に出ていきます。
彼は、療育手帳も持っていません。障害はあるけど、障害者として行政の支援はありません。自分の力で、普通の人として働かなければなりません。
どんな支援をすれば、働くことの環境を整え、とっちゃんが働けるか、今はまだわかりません。でも、今、必要な支援をしていくことで、いつか社会に出て行けるように、とっちゃんの困っていることに支援していこうと思いました。
約2時間の講演会でしたが、もっとお話が聴きたかったです。
「ありのままに あたりまえに 生きる地域に 」
明石 洋子氏 講演会より~
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