期待なんて言葉を使うことすら思いつきもしないほど、期待なんてしていないと思っていた。それは何も望んでいないということとは違う。望んではいるけど、期待はしていなかった。彼の今までの言動から見て、きっと私が危惧していたことが現実になるんだろうなと、何の疑いもなく思っていた。それは私の望んだ形ではないけれど、致し方ないことなのだと、思っていた。 だから、それを実際に目にしたときに湧き上がった怒りとも落胆とも悲しみともつかない感情に、とても驚いたのだ。感情が湧き上がるほど、彼に期待していた自分に。 …やっぱアレいれたんだ…館シリーズ8作目に…